2009年新規追加となった世界遺産決定![第33回世界遺産委員会セビリア会議]
記事は [09年06月30日] 357 日目 世界遺産 のお話
6月22日-30日の間に「第33回世界遺産委員会セビリア会議」がスペインのセビリア(セビーリャ)にて開催されておりましたが、この会議の中で2009年に新規追加になった世界遺産が決定しました、イェーイ!
新規追加となった世界遺産の数は、
13件!
内訳は、自然遺産2件、文化遺産11件です!
下表に今回世界遺産追加候補としてノミネートされた30件と、世界遺産として新規追加となった世界遺産をまとめてみました。グレーアウトされているのが残念ながら今回は登録見送りとなった物件です。
# | 地域 | 国名 | 世界遺産(英語) | |
---|---|---|---|---|
自然遺産 | ||||
01 | ヨーロッパ | イタリア共和国 | The Dolomites | |
02 | ヨーロッパ | ドイツ連邦共和国/オランダ王国 | The Wadden Sea | |
- | アジア | 大韓民国 | Korean Cretaceous Dinosaur Coast | |
- | ヨーロッパ | ロシア連邦 | Lena Pillars Nature Park | |
文化遺産 | ||||
01 | アジア | イラン・イスラム共和国 | Shushtar Historical Hydraulic System - Bridges, dams, canals, buildings and watermills from ancient time to present | |
02 | アジア | 大韓民国 | Royal Tombs of the Joseon Dynasty | |
03 | アジア | 中華人民共和国 | Mount Wutai | |
04 | アフリカ | カーボヴェルデ共和国 | Cidade Velha, Historic Centre of Ribeira Grande | 初 |
05 | アフリカ | ブルキナファソ | The Ruins of Loropéni | 初 |
06 | 南米 | ペルー共和国 | Sacred City of Caral-Supe | |
07 | ヨーロッパ | キルギス共和国 | Sulamain-Too Sacred Mountain | 初 |
08 | ヨーロッパ | スイス連邦 | La Chaux-de-Fonds / Le Locle, Clock-making town planning | |
09 | ヨーロッパ | スペイン | Tower of Hercules | |
10 | ヨーロッパ | ベルギー王国 | Stoclet House | |
11 | ヨーロッパ | 英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国) | Pontcysyllte Aqueduct and Canal | |
- | アジア | イスラエル国 | The Triple-arch Gate at Dan | |
- | アジア | 中華人民共和国 | Historic monuments of Mount Songshan | |
- | アジア/ヨーロッパ/南米 | アルゼンチン共和国/ベルギー王国/フランス共和国/ドイツ連邦共和国/日本国/スイス連邦 | The Architectural and Urban Work of Le Corbusier | |
- | アフリカ | コートジボワール共和国 | Historic town of Grand-Bassam | |
- | 中米/ヨーロッパ | メキシコ合衆国/スロベニア共和国/スペイン | The Mercury and Silver Binomial on the Intercontinental Camino Real. Almadén, Idrija and San Luis Potosí | |
- | 南米 | ブラジル連邦共和国 | Gold Route in Paraty and its Landscape | |
- | ヨーロッパ | イタリア共和国 | Italia Langobardorum. Places of power and worship | |
- | ヨーロッパ | スウェーデン王国 | Farms and Villages in Hälsingland | |
- | ヨーロッパ | ドイツ連邦共和国 | Schwetzingen - A Prince Elector's Summer Residence - Garden Design and Freemasonic Allusions | |
- | ヨーロッパ | フランス共和国 | The Causses and the Cévennes | |
- | ヨーロッパ | ベラルーシ共和国 | Tangible Spiritual Heritage of St. Euphrosyne of Polotsk | |
- | ヨーロッパ | ボスニア・ヘルツェゴビナ | Cultural property of the historic town of Jajce | |
- | ヨーロッパ | チェコ共和国/スロバキア共和国 | Sites of Great Moravia: Slavonic Fortified Settlement at Mikulčice - Church of St Margaret of Antioch at Kopčany | |
複合遺産 | ||||
- | アジア | 中華人民共和国 | Mount Wutai | |
- | ヨーロッパ | クロアチア共和国 | Lonjsko Polje Nature Park - A Living Landscape and the Floodplain Ecosystem of the Central Sava Basin | |
- | ヨーロッパ | モルドバ共和国 | The Cultural Landscape Orheuil Vechi |
- こちらの「UNESCOのサイト」を元に表を作成してみました。
- 世界遺産の正式名称は英語とフランス語しかないので、とりあえずは英語のままで。。
今回の結果、「カーボヴェルデ共和国」、「ブルキナファソ」、「キルギス共和国」の3国が自国で初めて世界遺産を持つことになりました、イェーイ!
そして上記の表を補足しますと、複合遺産(自然遺産&文化遺産)として申請していた中国の「Mount Wutai 」は文化遺産として登録されることになったようです。
あと触れなければならないのは、今回日本が、フランスの主導の下、フランス、アルゼンチン、ベルギー、ドイツ、スイスと6ヵ国共同で申請していた「ル・コルビュジエの建築と都市計画」(The Architectural and Urban Work of Le Corbusier )が残念ながら登録見送りになってしまったということです。というわけで東京初の世界遺産誕生とはなりませんでした。
そして今回の世界遺産委員会の結果で注目される点は2つあります!
1つ目は何といっても、新規追加となった物件数の少なさ!
30件がノミネートされてましたが、半分以下の13件しか登録されませんでした!過去5年の新規登録数を見ても今年の登録が圧倒的に少ないことが分かります!
【過去5年の新規登録世界遺産数】
- 2004年:34件
- 2005年:24件
- 2006年:18件
- 2007年:22件
- 2008年:27件
世界遺産の数がいよいよ1,000件に近づいてきたこともあり、登録審査もだいぶ厳しいものになってきているようです!
世界遺産の登録に関しては以前から懸念事項があり、自然遺産の数より文化遺産の数の方が圧倒的に多かったり、文化遺産でもヨーロッパの歴史や文化に関わるものに偏っていることが指摘されています。世界遺産委員会としてもむやみやたらに似たような世界遺産を増やしたくないという考えは持っているようです。やはり世界遺産リストに掲載されている物件は、世界的に見て偏りのない厳選されたラインアップであって欲しいですね!
そして2つ目の注目点は、既存の世界遺産が1つ減ったことです!
危機遺産リストに登録されていたドイツの「ドレスデン・エルベ渓谷」(Dresden Elbe Valley )が世界遺産リストから抹消されました。世界遺産から抹消された事例は2007年にオマーンの「アラビアオリックスの保護区」に次いで2例目となりました。僕たちは今オマーンにいるので1件抹消されてるのが悔しい。。
世界遺産には2つのリストがあり、1つは世界遺産としての価値が認められた物件が掲載されている「世界遺産リスト」、そしてもう1つは世界遺産リストに登録されている物件のうち世界遺産としての価値を損なう恐れのある重大な危機に瀕している物件が掲載される「危機遺産リスト」です。毎年行われる世界遺産委員会ではこの危機遺産リストへの登録・削除も検討され、危機遺産の中から世界遺産からの登録抹消も審議されます。
今回の「ドレスデン・エルベ渓谷」の場合は、交通渋滞緩和のために計画された橋の建設が登録抹消という事態を引き起こしました。この橋が建設されてしまうと「ドレスデン・エルベ渓谷」の文化的景観が著しく損なわれ、世界遺産としての価値を維持できないという判断に至り、登録抹消となったのです。何度も建設計画の変更が促されてきましたが、適切な計画の変更がなされなかったという経緯があります。
よって、2009年の世界遺産の総数は、
2008年の時点で878件だった世界遺産の数に、2009年新規登録13件を足し、抹消された1件を引いた数、
890件!
キリがよくて覚イェやすいね!世界遺産の内訳は自然遺産176件、文化遺産689件、そして複合遺産は変わらず25件となりました。
毎年、年末の前後あたりに新規登録となった世界遺産の日本語訳が日本ユネスコのサイトに掲載されますので、掲載されましたら、また記事を書きたいと思います。
ちなみに2007年、2008年、2009年に新規追加となった世界遺産はこちらの「世界遺産コーナー!:各年別新規登録リスト」のページでまとめてますのでよろしかったらご覧ください!
あと関連記事として新規世界遺産のノミネートが出揃った時の記事「2009年世界遺産新規登録候補[第33回世界遺産委員会セビリア会議]」もどうぞ!どうぞ!
「世界遺産の数が増える = 世界遺産制覇率が下がる」
イェーイ!
最後にリアルタイム情報Yay! -------------
本日80発目の世界遺産をイェーイ!しながらニズワからマスカット(ルイ地区)に移動しました!これでオマーンの世界遺産4件中、3件制覇です!もう1件はちょっと遠いのでこれにてオマーンは終了!明後日には次の国に旅立ちます!イェイ!
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コメント
> レックさん!
オマーンの次はUAE、ドバイでした~!世界遺産ではないですが、オマーンから陸路で簡単に行けるということで、来ちゃいました!イェーイ!
2009年7月 2日: 2号 さん
予想ではエジプトかな?
そして陸伝いにイスラエルや中東では?
どちらにしろ、楽しみにしてます。
2009年6月30日: レック さん
私、コメントします!
みなさまからのコメントを楽しみにお待ちしております!
「イェーイ!」だけでも構いませんのでお気軽にどうぞ!
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